『自己破産』なら【弁護士法人心 東京法律事務所】まで

弁護士による自己破産@東京

Q&A

任意整理から自己破産へ切り替える場合に注意すべき点はなんですか?

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2022年11月28日

1 任意整理から自己破産へ切り替えるケース

当初は任意整理を前提に債務整理手続を始めたものの、途中で収入が下がってしまったり、予想していなかった支出が発生してしまったりしたために返済が難しくなり、方針を変更して自己破産に切り替えるというケースがあります。

ここでいう切り替えのタイミングは、任意整理の和解が成立する前に自己破産に方針変更する場合と、和解成立後に各社へ返済が開始した後に変更する場合とを含みます。

2 偏頗弁済の問題

自己破産の手続きにあたり、申立てをする前に偏頗弁済をしていると、免責の点で問題になります。

また、同時廃止手続ではなく、管財手続となる公算が高くなります。

偏頗弁済とは、簡単に言えば特定の債権者にだけ優先して返済を行うことを指します。

このような返済を行うと、一部の債権者が不利な状態に置かれることとなってしまい、債権者平等の原則に反するため問題となるのです。

3 任意整理をしていると偏頗弁済になることが多い

例えば、一部の債権者だけを対象に任意整理を行うということがあります。

このような形で任意整理を行うと、任意整理の対象外となった会社に対してはずっと返済を継続していたにもかかわらず、任意整理を行った会社に対しては長期間返済を行っていなかったという不平等が生じてしまいます。

また、すべての会社を任意整理している場合でも、和解成立時期にずれがある場合、返済が再開したタイミングがずれてしまい、より多く返済を受けている会社とそうでない会社が出てきてしまうという不平等が生じることになります。

さらに、各社との和解の条件に大きな差がある場合には、一律に返済を再開していても実質的に不平等が生じているということもあります。

4 任意整理と自己破産のどちらを選ぶかをよく考えるべき

このように、任意整理の手続を開始した後に自己破産をしようとすると、偏頗弁済の問題が生じることが多く、また高確率で管財手続になります。

そのため、弁護士費用は任意整理の分と自己破産の分が必要となるだけでなく、自己破産の手続きにも相応の費用がかかってしまいます。

将来的に自己破産になる可能性があり得るような、ぎりぎりの任意整理を行う場合は、最初から自己破産にすべきなのではないかという点も踏まえて検討すべきだといえるでしょう。

弁護士紹介へ

スタッフ紹介へ