Q&A
自己破産を自分で申し立てることは可能ですか?
1 自分で自己破産の申立ては可能か
結論としては可能です。
裁判手続きは、弁護士等でなければ利用できないものではありませんので、弁護士等に依頼せず、ご自身で自己破産の申立てを行うことは不可能ではありません。
弁護士として依頼を受けて申立てを行っているため、本人申立ての場合に実際にどのようなことが行われているかの正確なところまではお伝え出来ないのですが、手続の概要などについてご案内できればと思います。
弁護士等に依頼して行うか否か、ご負担やメリットデメリット等を考慮して決めていただくとよいかと思います。
2 申立書類等を整える
自己破産手続のために用意しなければならないものは、簡単にまとめると申立書と、添付するための根拠資料ということになってくるかと思います。
申立書の書式等は裁判所ごとに違っていたりしますので、例えば東京地裁であれば東京地裁の書式で申請した方がよいかと思います。
代理人による申立てと書式が違うこともあるようですのでご注意ください。
資料については、インターネット等で調べればおおむねどういったものが必要かは調べられるかなと思います。
裁判所ごとに書式が違うように、求められている添付資料も裁判所ごとに若干の違いがある場合もありますが、ある程度は共通と言ってよいかと思います。
3 債務者審尋
弁護士が代理人として申し立てた場合、東京地裁では「即日面接」という独自の制度運用がなされており、申立て後数日以内に弁護士と裁判官とで面接をして手続きの方向性等を協議する運用となっています。
本人申立ての場合には、債務者審尋という、裁判官が債務者と対面し質問等を行う手続きがとられることもあるようです。
4 管財人対応等
自己破産手続きの流れは、同時廃止という追加調査を必要としない流れと、管財事件という、「破産管財人」という立場の弁護士が手続きに関与し、財産調査、免責調査等を行う手続きの流れとに分かれます。
代理人弁護士等が関与して準備して申立てをする場合と異なり、本人だけで追加の調査等が必要ないと判断できるほどに財産調査、免責調査をしっかり行って申請書類を提出することはなかなか容易ではないかと思いますので、本人申立ての場合、同時廃止とはならず、基本的には管財事件になる場合の方が多くなってくるかと思われます。
この場合、選任された管財人事務所で面談を行い、申し立てに至る経過の確認や追加書類の提出等の方針を協議する場が持たれることが通常です。
弁護士が代理人となっている場合でも管財事件とされることはありますが、代理人申立ての場合の管財費用が20万円~となっているのに対し、それ以外の申立ての場合には50万円~となっています。
これは、事前に弁護士が関与して十分な調査、整理をして申立てをし、申立て後も管財人と共同で手続きを進めていく場合と異なり、管財人の負担が増加することによるといえます。
5 債権者集会、免責審尋
管財事件の場合には、債権者集会と免責審尋(通常は同時開催となります。)、同時廃止の場合には免責審尋期日が設けられます。
出席は特別な事情が認められない限り必須ですので、必ず出席できるようにしておくとよいと思います。
6 弁護士に依頼することもご検討ください
以上のとおり、自己破産手続きを自分でやることは不可能ではありませんが、慣れない作業に過大な負担を感じることも少なくないと思いますし、管財費用が増加するため、弁護士費用を節約できるというメリットもそこまで大きくなるとはいえない面もあります。
実際にも、大多数の自己破産申立ては弁護士等を通じて行われているようです。
まずは弁護士にご相談されることをお勧めします。
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