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「自己破産した場合の財産」に関するお役立ち情報

非公開会社の株式を有している場合の自己破産

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2023年2月6日

1 どのように処分することになるか

非公開会社の株式譲渡は、譲渡当事者間では有効ですが、会社に対して株主であることを対抗するには会社の承認が必要となります。

当該非公開会社が家族経営の同族会社である場合などでは、同族以外の者が株式を譲り受けることについて、会社が承認する可能性は低いと考えられます。

よって、会社経営者や既存の株主に株式を売却することになるケースが多いものかと思われます。

2 株式の評価額

株式の売買価格についてですが、非公開会社の株式については、①インカムアプローチ、②コストアプローチ、③マーケットアプローチという評価方法があります。

どの手法が使われるかについては、個々のケースによって異なります。

3 1株当たりの純資産額で評価する方法について

上記②コストアプローチについて、簡潔に説明すると、当該会社の資産額から負債額を差し引いた純資産額を、総株式数で除することによって、1株当たりの評価額を算出するという方法です。

この方法だと、会社が債務超過である場合には、純資産額はゼロであり、株式評価額もゼロということになってしまいますので、その場合には①インカムアプローチの手法を採るという考え方が適切となる可能性もあります。

また、株式に財産的価値が全くない場合、あるいは、買主候補者が全くない場合は、破産財団から放棄されるケースもあるでしょう。

4 実際の出資者が異なる場合

形式的には株主となっているものの、実際には別の家族が出資しているというケースがあります。

その場合、当該株式が誰に帰属しているのかが問題となる場合がありますが、基本的な考え方としては、株式の実質的な引受人が株主となります。

したがって、実際の出資者が株主となる可能性があります。

もっとも、どのような経緯でその状況が作られたのかということも確認する必要があります。

たとえば、株式の贈与、株式取得資金の贈与を行ったものと評価できる場合には、出資者でなくても形式的な株主に帰属するものといえます。

したがって、このような場合には、実際の出資者であると主張する者が実質的な所有者であることを証明できない限りは、形式的な株主にその株式は帰属するものと考えることになるでしょう。

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