「自己破産した場合の影響等」に関するお役立ち情報
自己破産による連帯保証人への影響
1 連帯保証人がついている場合に自己破産をした場合の問題点
自己破産手続きをする方に連帯保証人が付いている場合、連帯保証人にも少なからず影響を与えることになります。
どのような影響が出るか、その背景や理由も含めてご説明いたします。
2 連帯保証人の責任
保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときにその履行をする責任を負うとされています(民法446条1項)。
履行というのは、借金問題でいえば借入金の返済をすることで、もともとの借入れをしている人(主債務者)が返済をしなかった場合、保証人の地位にある人は、主債務者に代わって返済をしなければならないというわけです。
連帯保証人の場合、単なる保証人と異なり、先に主債務者に催告せよとの反論(催告の抗弁)や、主債務者の財産に対して強制執行せよといった反論(検索の抗弁)が認められておらず(民法454条)、単純保証と比較するとやや責任は重くなっています。
自己破産を申し立てる人は、債権者への返済をしなくなるわけですから、上記のとおり、連帯保証人が代わりに返済をしなければならない状況に置かれることになります。
3 自己破産手続きのルールとの関係
上記2のとおり、自己破産をしようとすると、連帯保証人にもその影響が及ぶことになるわけですから、ご親族等が連帯保証人になっている場合、迷惑をかけてしまう可能性が出てくることになります。
このような状態を回避するため、連帯保証人のついている債権者を手続きから除外できないのか、といったご相談をいただくことがありますが、これは認められていません。
自己破産手続きのルールには、債権者平等の原則というものがあり、特定の債権者を除外することは許されていません。
特に、これを意図的に行ったことが発覚したような場合には、自己破産手続きによる借金の支払義務の免除自体認められなくなってしまうおそれもありますのでご注意ください。
4 連帯保証人がいる場合の借金問題解決について
通常は、任意整理を選択し、連帯保証人のついている債務以外を整理する方法での解決ができないかをまず模索することになります。
任意整理では、債権者平等の原則というルールがあるわけではないため、一部の債権者を除いた解決をすることも可能で、実際にも任意整理によって連帯保証人に迷惑をかけずに借金問題を解決できたというかたも多くいるかと思います。
ただ、任意整理の場合には今後も返済が続くことが前提ですので、収支のバランスから、任意整理が困難で、自己破産をするしかないという場合もあります。
その場合には、上記の影響を避けることができないため、事前に連帯保証人に事情をご説明していただいた方がよい場合が多いかなと思います。
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