「自己破産した場合の影響等」に関するお役立ち情報
自己破産のメリット・デメリット
1 自己破産のメリット
自己破産のメリットは、何といっても借金を返済しなくてよくなるというところにあります。
裁判所に自己破産の申立てを行い、免責許可決定を得ることができれば、債務を返済する義務がなくなります。
任意整理や個人再生では、金額の差こそありますが、手続きをとった後も借金の返済を継続することが前提となります。
返済義務を免れるという点で、自己破産は最も強力な手続きであると言えます。
また、現在給料の差し押さえ等を受けている場合には、差し押さえが止まるということも自己破産のメリットとして挙げられます。
自己破産すると、返済義務がなくなる代わりに、すべての財産を取り上げられてしまうというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、破産した後も、当然生活を継続していく必要がありますから、一定程度の財産を残すことが認められています。
2 自己破産のデメリット
上述のとおり、借金にお悩みの方にとって、自己破産は大きなメリットのある制度です。
反面、自己破産することによるデメリットもあります。
代表的なデメリットについて、以下に紹介します。
⑴ 信用情報の問題
自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。
いわゆる「ブラックリストに載った」状態です。
クレジットカード会社や金融機関は審査の際に信用情報を確認するため、事故情報が登録されると、クレジットカードを利用することができなくなったり、新たにローンを組んだりすることができなくなったりするという影響があります。
もちろん、永久にその状態が続くというわけではありません。
しかし大体5~7年間くらいは、クレジットカードやローンを利用することは難しいと考えた方がよいと考えられます。
もっとも、これは自己破産に限った話ではなく、他の債務整理手続きをとった場合でも同じことが言えます。
⑵ 職業制限の問題
自己破産特有のデメリットとして、職業制限が挙げられます。
具体的には、弁護士、司法書士、行政書士、公認会計士、税理士などの士業、質屋、古物商、生命保険外交員、宅地建物取引士、警備員といった仕事に就けなくなります。
ただし、これは破産の手続きを行っている期間に限った話です。
手続きが終了すれば、再度その仕事に就くことができます。
⑶ 手元に残せない財産が出てくる可能性があること
自己破産をする状況に至っている以上、手元には財産が何も残っていないというケースは多いかもしれません。
しかし、たとえば一定以上の価値が認められる自動車を持っている場合や、一定額以上の解約返戻金のある生命保険に加入している場合、一定額以上の退職金が予定されている場合などには、それらの財産を手放さなければならなくなることがあります。
どのような場合に、どのような財産を、どの程度残すことができるのかはケースバイケースですので、まずは弁護士にご相談いただければと思います。